【宅配クレームの実例】タメになるクレームとは?それはあなたの自己満足でしょうが!
タメになるクレームとは?
宅配業は「サービス業」です。
サービス業とは簡単に言うと、お客様に対して「モノ」ではなく「サービス」を提供する業種のことです。
具体的にはその「サービス」による効用や効果、または満足感や感動といった「形のない財」を提供することで対価を得るのが特徴です。
だからというわけではありませんが、サービス業に対する「クレーム」はかなり多岐にわたります。
我々業者側に非がある「クレーム」はもちろん、お客様の勘違いによるモノもけして少なくはありません。
このクレームの種類に関しては別の記事でも紹介しているので、もしよろしければソチラもご覧ください。
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基本的にクレームはすべて「お客様からの発信」です。
我々の考えるサービスレベルが、お客様の求めるサービスレベルを下回った時に発生するわけです。
そんな時のお客様のセリフが「あなたのために言ってるんだから…」
今回は実際にいただいた「クレーム」をもとに、タメになるクレームについて考察していきます。
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客に用意しとけと言うのか?
まずはコチラのクレームから。
中には「代引き」をご存知ない方もいらっしゃると思うので、まずは代引きについて簡単にご説明します。
代引きは「荷物の受け取りと引き換えに代金を支払う方法」です。
宅配業者がお店から「集金業務」を委託されているわけですね。
ご存知の方もいるとは思いますが、実はこの「代引き」サービスは我々宅配ドライバーの天敵です。
なんと言っても時間がかかります。
通常の配達であれば「5秒~10秒」ですむところが、代引きとなると少なくても数分はかかります。
さらにお客様が代金を用意していなかったり我々がお釣りを用意できなかったりすると、近くのコンビニなどに行って両替するか、または荷物を持ち帰らなければなりません。
通常の荷物と比べると、非常に手間と時間のかかる荷物なのです。
今回ご紹介するクレームは、そんな「代引き商品」をお客様のところにお持ちした際にいただきました。
時は12月の繁忙期(1年で一番忙しい時期)の真っただ中、身も心もヘロヘロになっている時でした。
念のためにお伝えしておきますが、我々は毎朝事務所を出る前にちゃんと「釣り銭」を用意しております。
とはいえレジをそのまま持ち歩いているわけではありませんし、何度も事務所に戻るわけではありません。
もちろん「限界」はあるわけです。
とはいえその「限界」がいつやってくるのか、コレばっかりは誰にもわからないというのが事実です。
だって「代引きの商品が何個あるのか?」「お客様が代金をちゃんと用意してくれているのか?」なんてことは現場に出ないとわかりません。
朝イチですぐに「つり銭」がなくなることもあれば、最後まで余裕たっぷりなんて日もあるのです。
コレばっかりはわかりません。
だからまず考えていただきたいのは、宅配業者の釣り銭を当てにするのは間違いだということです。
そもそもネットやテレビで商品を購入した時に、すでにお客様はその金額をわかっているはずです。
お店で商品を購入するにしろ通販で商品を購入するにしろ、商品購入前には金額を確認しますよね?
なのになぜか通販では、お金を用意しない人があまりにも多いです。
コレは本当に宅配七不思議ですね。
これは当たり前の話ですが「代引き商品」の代金は「事前にお客様で用意していただく」のがルールです。
もし今後も代引きを利用されるのであれば、代金を事前にご用意いただきますようお願いいたします。
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ちゃんと荷物を渡しなさいよ!
続きましてはコチラです。
僕は基本的にお客様に「荷物」をお渡しする際には、できる限り「お声がけ」をするようにしています。
なぜなら今回のクレームのように、荷物を落とす方がいるからです。
もしそれで破損や損傷でもしてしまったら目もあてられません。
我々もお客様も損をするだけです。
誰ひとり得をしないわけです。
これは「クレーム」について考える時に非常に大切なことなので、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。
というわけで今回のクレームです。
先ほども言ったように「誰も得しないこと」をわざわざ我々がすることはまず間違いなくありません。
トラブルが増えるだけですから。
このクレームをいただいたのは、まだまだ朝の早い時間帯でした。
もちろんエリアにもよりますが、午前中は特に「寝ぼけているお客様」が多いのは間違いありません。
だからこその「お声がけ」です。
にも関わらずこのお客様、僕が手を離した瞬間にバランスをくずして荷物を地面に落としたのです。
そりゃ現場は凍りつきました。
コチラとしては「あーやっちゃいましたね」といった感じですが、そのお客様の表情は一変しました。
突然あきらかな怒り口調で「ちょっとお!」と怒鳴りはじめ「あなた名前は?名前は?」ときたわけです。
何度も言っておきますが、僕はこの時も「お声がけ」はしています。
もちろん荷物を手渡す際にも、ギリギリまで手は添えていました。
だからまあコチラとしては落ち度はないので、しっかりと所属店名と名前をフルネームでお伝えしました。
ちなみにいつも不思議に思うのですが、こういうお客様は何故すぐに名前を聞いてくるのでしょう?
「お前の名前は覚えたからな!覚悟しとけ!」ってことですか?
でもコチラとしてはお客様の名前も住所も電話番号もすべて把握しているんですけどね…。
まあソレはさておき、コレもまた意味の分からないクレームでした。
もちろんこの件に関して「お咎め」はありませんでしたが、なんだか朝からモヤモヤする出来事でした。
とはいえこういうクレームも実際にあるということは、ぜひぜひ頭の片隅にでもいれておいてくたざい。
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前はできたのに何で?
最後にご紹介するのはコチラ。
コレまたちょくちょく遭遇します。
まずこのタイプのクレームで考えたいのは、今も昔も「時間」はつねに進んでいるということです。
たしかにこういうクレームが出るというのも無理はありません。
ここ数年の時代の流れは、あきらかに「加速」しましたからね。
ほんの数年前までは考えられなかったようなことが、現在では当たり前のように存在しています。
この先もまだまだこの「加速度」は上がり続けていくことでしょう。
自分自身でしっかりとアンテナを張っている人であれば問題ありませんが、ボーッと生きている人はどんどん取り残されていくでしょう。
ソレが今の世の中です。
だからこそ特に高齢者の方々はその「変化」についていけません。
今と昔ではお金の価値も違うし、モノの価値も考え方も違います。
当時は「良い」と思われていたことだって、今は「悪い」なんてことがたくさんあるわけです。
今回のクレームをいただいた時、そのお客様がいつの話をしていたのかはまったくわかりません。
正直言ってコチラとしては「はー、またか」といった感じでしたし、興味がありませんでした。
だからひと通りお客様の言い分を黙って聞いたあと「申し訳ありません。ただ現在はこういうルールですので、僕にはどうすることもできません」ときっぱりお伝えしました。
サービス業ではよくあることですが、お客様がルール外のことを求めてくることは日常茶飯事です。
我々がサービスを提供させていただく対象は、きちんと「ルールを守っていただけるお客様」です。
我々のルールを無視して一方的にサービスを要求するようなお客様は、残念ながらお客様ではありません。
時代はつねに「変化」しています。
サービスも変化していきます。
いちいち過去の話を持ち出して、あーだこーだ言うのはやめましょう。
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まとめ
というわけでまとめです。
今回は実際ににいただいたクレームをザックリとご紹介しました。
これらのクレームは「我々のタメになっている」のでしょうか?
僕にはそうは思えません。
単なるお客様のワガママに聞こえてしまうのが正直なところです。
とはいえこういったクレームは、毎日どこかで発生しています。
それだけお客様の要求は、日増しに増えているというわけです。
ただこれだけは言わせてください。
我々のタメになるクレームなどいちいち教えてくれなくて結構です。
というわけで今回はこのへんで。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!