【宅配業者の本音】老害はもうええやろうがい!宅配業界に残る悪しき文化をぶった斬る!

SNSが「世界を変える」

これは何も宅配に限った話ではありませんが、ひとつの業界に長くいれば裏も表も見えてくるものです。

いわゆる中にいる人間のみが知る「内部事情」というやつですね。

もちろんそういった内部事情は多大な「リスク」を含んでいます。

だから今までそれらの情報が外に漏れることはありませんでした。

しかし現在は少し状況が違います。

今はSNSやインターネットを使い、誰もが発信をする時代です。

過去にはアルバイトが気軽に投稿したSNSがキッカケで、廃業に追い込まれた会社もありました。

それだけ今の時代は「個人」の発信力が無視できないわけです。

とは言っても、個人の「発信」はマイナスな面ばかりとも言えません。

正しい知識を持って正しい使い方をすれば、自分の仕事や会社について考えるキッカケとなるからです。

今回はSNSを皮切りにして、老害の引き起こす業界の悪しき文化について考察していきます。

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個人情報とSNSについて

僕は運送業界については一般の人より詳しいと思いますが、それ以外のことはあまりよく知りません。

またひとくくりに「運送業界」とはいっても、会社によってルールも常識も変わってくることでしょう。

今回の記事はあくまでも、僕自身の経験を元にしたお話です。

それだけはどうかご理解ください。

さてまず最初にお伝えしたいのは、個人のSNSについてです。

実は我々ドライバーは、基本的に全てのSNSを禁止されています。

なぜなら仕事の関係上、多くの個人情報を取り扱っているからですね。

これはたくさんの個人情報を取り扱う会社としては当然のルールです。

ここ十年ぐらいの間に、インターネットは恐ろしいスピードで我々の生活の奥深くにまで浸透しました。

そのおかげで「個人情報の取扱い」については、多くの企業が頭を悩ませているのではないでしょうか。

今の時代はどんな形であれ、個人情報の流出となれば大問題です。

個人情報を取り扱う以上、社員の行動を管理するのは当然ですね。

ただその管理という部分において、少し行き過ぎた部分があるのではないかと感じる部分もあります。

というのも、我々はSNSを利用しないという誓約書にサインをしなければ業務ができません。

また噂によると、会社は定期的にエゴサーチをしてアカウントを特定し、わざわざそのSNSを通して警告したりしているそうです。

これだけSNSが普及して個人が力を持つ時代に「SNS=悪」という構図が出来上がっているわけです。

頭ごなしにすべてを禁止するのは、個人的には「プラスの面」すらも潰している気がしてなりません。

もちろん前述したような「マイナス面」も数多くありますが、とはいっても時代は大きく変化しています。

逆にSNSを利用することによって、驚くほど一気に業績を伸ばしている会社もたくさんあるわけです。

「SNS=悪」としてすべてを禁止するのではなく、どうにかSNSを利用する手はないのでしょうか?

そこのところも踏まえて、もう少し柔軟に変化しても良いのではないかと思う今日この頃です。

まあSNSを使ったこともない老害がいるうちはムリな話か…。

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目先の数字を追いかける

続きましては僕が過去に経験した古き悪しき文化のご紹介です。

ひと言で簡単に言ってしまうとそれは「同じことの繰り返し」です。

これはたまたま僕の所属している会社の特徴なのか、もしくは運送業界全体の特徴なのかはわかりません。

ただこれは間違いなくこの業界に存在する悪しき文化のひとつです。

簡単な例をあげて説明しましょう。

我々のエリア内に「A社」という大きな会社があったとします。

A社と契約ができればかなりの売上が見込めるため、どの業者もA社との専属契約を狙っています。

これを上司に相談したところ「今年は売上が少ないから絶対に契約をしてもらえ!」と言われました。

だから我々はA社と専属契約を取るために、大幅値引きを提示します。

そうして他社との競合の末、なんとか無事に専属契約ができました。

ただし、大幅な値引きをすれば利益が減るのは当然なんですよね。

それから数年後、今度は「利益の少ない会社との契約を見直せ(値段を上げろ)」という通達がきます。

ここで見事にターゲットにされるのが、前述の「A社」なわけです。

とはいえそんなことを言われても、大幅値引きをして契約してくれたA社が納得できるはずもありません。

他社より安かったから契約したのに、今度は「契約を続けるのであれば値上げ」なんて言うのですから。

最終的にはその一件でA社からの信用は完全になくなり、専属契約は解除することになってしまいました。

目の前の数字を追った結果です。

ただこの話はまだ終わりません。

それからしばらくすると、今度は「今年は売上が少ないから新しい契約をとってこい」という通達です。

常識的に考えてよほどの新興エリアでもない限り、そんなに新しい会社がでてくるわけがありません。

そこでまたターゲットにあがるのが、例のA社さんです。

恥を忍んで深々と頭を下げた後にまたまた大幅値引きをし、なんとか再契約をしていただくわけですね。

いかがでしょうか?

こんなことをもう何年も前から、何度も繰り返しているわけです。

これはほんの一例ですが、経費の削減なども同じことを数年おきに繰り返しているのは周知の事実です。

あらためて文章にしてみると、この一連の流れはとてもおかしなことをしているのがよくわかります。

自分で言っておきながらもウソみたいな話ですが全て実話です。

もちろん自分がA社の社長だったとしたら「ふざけるんじゃねえ!表に出ろ!」となりますよね。

でもこの普通じゃ考えられないようなことを、なぜだか数年おきに何度も何度も繰り返しているわけです。

それはナゼなのか?

その理由のひとつが、2~3年おきに繰り返される人事異動です。

現場と上司に挟まれた中間管理職の仕事なんてたかが知れてます。

結局は与えられた環境の中で「同じことを繰り返す」しかないのです。

これは本当に悪しき文化ですよね。

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腰かけ仕事は「事なかれ主義」

というわけで先ほども触れましたが、現場のすぐ上にいる中間管理職は大抵数年で異動になります。

そうなるとどうしても「腰かけ仕事」になっちゃいますよね。

もちろん中には本気で考えてくれる素晴らしい人もいました。

でもたとえどんなに素晴らしい人でも、逆にどんなに仕事ができない人でも、数年たてば異動なのです。

これでは良い環境は作れません。

もちろん不正やマンネリ回避の人事異動だというのは理解できますが、本当に会社のことを良くしたいのであれば、じっくり腰を据えてやることも必要ではないでしょうか?

これはお客様に対しても、まったく同じことが言えると思います。

というのも最近のトレンドは、エリアドライバーを固定せず、日替わりで変更するというものだからです。

理由は先ほども述べた通り、不正やマンネリを防ぐためですね。

でもこの制度をとるようになってから、我々ドライバーの中で明らかに変わったことがひとつあります。

それは仕事に対する責任感です。

この制度になる前は、それぞれが専属コースを持っていました。

だから必然的に、お客様にも仲間にも下手な仕事はできませんでした。

つねに自分のお客様とコミュニケーションをとりながら、自分がそのエリアの最高責任者だという自覚と責任感を持って、それぞれが真摯に仕事に取り組んでいたわけです。

それが今では出勤するたびに日替わりで、毎日コースが変わります。

となるとやっぱりどうしても「とりあえず今日一日が無事に終わればいいや…」となってしまうわけです。

管理職のみならず、現場も「腰かけ仕事」になってしまうわけですね。

もちろんすべてのドライバーがそうとは言いませんし、エリアによっては担当制のところもあるでしょう。

ただ少なからず、僕の所属している営業所の現状はこの通りです。

いつも顔を合わせるお客様と、笑顔でお話する機会は減りました。

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末端まで情報が伝わらない

最後にもうひとつお伝えしておきたいのが、情報の共有が現場までなかなか下りてこないという点です。

もし情報が現場まで下りてきたとしても、かなりギリギリの状況です。

ひどい時はお客様から新商品について質問されて、はじめてその商品を知るなんてこともあります。

ただこれはもう理由が明らかです。

従業員の数が多すぎるからですね。

もちろん母体の人数が多ければ多いほど、伝達事項は難しくなります。

とはいえそれをいつまでも仕方がないとは言っていられません。

お客様に対応するのは誰か?ということを考えたら、どうにかしなければならない問題ですよね。

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まとめ

というわけでまとめです。

念のために言っておきますが、僕はこの仕事が好きだしこの会社に入れて本当に良かったと思っています。

だからこそもっと職場環境を本気で良くしたいし、悪いことは悪いとちゃんと声に出したいのです。

いわゆる老害といわれる人たちはまだまだたくさんいますが、時代の流れは明らかに加速しています。

今ですら乗り遅れている人たちに、今後さらに大きくなる荒波を乗り越えられるとは思えません。

もう少し現場のリアルな声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?

それでは今回はこのへんで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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