【宅配雑学】正しい梱包と輸送についてドライバーが徹底解説!あなたの荷物は大丈夫?

梱包について考える

メルカリの登場により、今では個人の所有物がネットで簡単に売買できるようになりました。

それにともない「企業から個人」への荷物とともに「個人から個人」への荷物がどんどん増えています。

もちろん梱包はお客様でしていただくのですが、完璧な梱包ができている荷物はそれほど多くありません。

荷物を「梱包する」ということについて、ちゃんと理解しているお客様はどのくらいいるのでしょうか?

今回は梱包についてのお話です。

この記事の最後には「荷物を送る際に最低でもこれだけはやっておくべきこと」を記載したので、ぜひとも最後までお付き合いください。

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正しい梱包方法とは?

まずは梱包の意味について。

梱包について調べてみると「段ボールや緩衝材を使用して、荷物が壊れないようにすること」とあります。

あらためて聞いてみると「なんだ、そんなことか」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、はたして本当に理解できているのでしょうか?

今ではメルカリの荷物を見ない日はありませんが、段ボールや緩衝材を使っていない荷物は多いです。

また一番のポイントは「荷物が壊れないようにすること」ですが、これが一番難しいところでもあります。

なぜなら誰かに荷物を送る時に、荷物をそのまま「剥き出し」の状態で送る人なんて基本的にいません。

ほとんどの方はご自身で梱包方法を調べたり、自分なりに工夫して荷物を「補強・梱包」しています。

にもかかわらず、どうして「梱包不備」が発生するのでしょうか?

次の章で詳しくみてみましょう。

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実際の輸送方法を理解する

梱包の説明を始める前に、まずは「荷物はどのように運ばれているのか」を理解しておきましょう。

昔と比べると、最近では荷物を発送できる場所がかなり増えました。

宅配便の営業所はもちろんのこと、コンビニや宅配ロッカーでは24時間荷物の発送が可能です。

とはいえそれぞれの場所で預けられた荷物は、夕方にいったん最寄りの営業所に集められます。

そこからあらためて全国各地に発送されていくわけですね。

最寄りの宅配便営業所に集められた荷物はまず、全国各地の「大まかな地域」ごとに仕分けられます。

東北方面、関西方面、四国方面、九州方面といった感じですね。

専用の輸送ボックスにそれぞれ荷物を入れていくのですが、もちろん荷物は姿も形も大きさも様々です。

そういう姿も形も大きさも様々な荷物が、ひとつのボックスにごちゃ混ぜに入れられるわけです。

もちろんボックスには目一杯、キツキツに荷物が詰め込まれます。

荷物同士の接触は避けられませんし、押し込むような形で詰め込むことも少なくはありません。

そんな中、紙袋に入れただけの荷物や緩衝材の入っていない荷物がどうなるか?想像してみてください。

例えるならば、ガラスの食器やグラスを紙袋に入れて、そのまま段ボールに入れるようなものです。

とうてい「安全」とは思えません。

そしてそれらのボックスはさらに各地域の「大型集約センター(通称:ベース)」に集められます。

そこでさらに仕分けられます。

そうしてまとめられた荷物を積んだトラックが、各都道府県に向けて走っていくというわけです。

けして街中でよく見かける宅配便のトラックが、そのまま輸送しているわけではありません。

たしかに積み込みしたトラックでそのまま輸送すれば、荷物が壊れるリスクはかなり軽減できるでしょう。

ただお預かりした荷物がお届け先に届くまでに、少なくても5回以上の積み下ろし作業が行われます。

当たり前の話ですが、積み下ろし作業の回数が多ければ多いほど荷物が破損するリスクは増えていきます。

どんなに移動距離が短かろうと長かろうと、基本的にはこの一連の流れに沿って荷物は運ばれていきます。

だから「今回は近いから簡易梱包で」とか「今回は遠いから厳重に」というのも正しくはありません。

さらに輸送のメインは大型トラックとなりますが、高速道路を走る荷台の振動はかなり激しいです。

もし何も緩衝材を入れない状態でビン類が入っていたら、走り出して数十秒で割れてしまうでしょう。

そしてさらに、荷物をお客様の自宅まで運ぶ我々宅配ドライバーは「ロボット」ではなく「人間」です。

時には荷物を持ったまま転んでしまったり、荷台で荷物を倒してしまうことだってあるでしょう。

人間にはミスがつきものです。

完璧な人間などいません。

ご理解いただけますでしょうか?

お客様がどこかで発送した荷物が到着するまでには、これだけたくさんのリスクが潜んでいるわけです。

もちろんそれも踏まえて「安全に運べ」という話ですが、もしお客様がご自身で梱包するのであれば、ぜひ頭に入れておいてください。

では最後にもう一度だけ確認です。

その荷物、梱包できていますか?

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結局どうすればいいの?

じゃあ結局のところ、どのような梱包をすればよいのでしょうか?

実はこれが一筋縄ではいきません。

ここまで言っておいてこういうのも本当に本当に心苦しいのですが…

「梱包に正解はありません!」

これはどういうことかというと、それぞれの荷物にはそれぞれに合った最適な梱包が存在するからです。

もし毎回まったく同じものを梱包するのであれば、限りなく正解に近づくことはできるでしょう。

ただお店や量販店でもない限り、実際はそうではありませんよね。

だからこそ梱包は難しいのです。

極論で言ってしまえば荷物が無事に届けば「正解」であり、荷物が途中で破損したなら「失敗」です。(もちろん原因にもよりますが…)

とはいえ何も書かないというのもさすがに怒られそうなので、これだけは最低限やっておくべきことを少しだけ書いておきます。

よかったら参考にしてください。

【最低でもやるべきこと】

・商品ごとの梱包を心がける!

・外箱は「絶対に」用意する!

・商品は箱の中央に固定する!

・緩衝材はケチらずに使うこと!

・封筒やビニールで梱包しない!

・緩衝材に過度な期待をしない!

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まとめ

というわけでまとめです。

梱包に正解はありません。

「荷物が無事に届けば正解」です。

「無事に届かなければ失敗」です。

先ほども少し触れましたが、荷物が発送されて到着するまでの間には、たくさんの人間が関わっています。

逆に言えばこれだけの人間が関わっているにも関わらず、荷物が無事に届くのはすごいことなのです。

輸送途中に荷物が破損してしまい、得をする人間などいません。

我々ドライバーはもちろん、この仕事に関わる全ての人間は荷物が無事に届くことを願っています。

これを読んだ皆さんが今後もし「梱包」をする機会があるのであれば、ぜひこの記事の内容を少しでも思い出していただければ幸いです。

それでは今回はこのへんで、最後までお読みくださりありがとうございました!

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